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観測できない何かがある「オカルト」

「オカルト」(森達也)

「職業欄はエスパー2」連載のまとめ。
見ようとすると隠れる、科学的でないけど、人間の近くに入り込む現象について。
一人称でしか語れない、5W1Hまでそろわないと説明できない題材と、森達也ルポの相性がガッチリ。
見る、疑う、受け入れる、あきれる、途方に暮れる。すべて正直なリアクションだ。
主人公・森達也のキャラがハマりすぎている。

読んで信じるか信じないか。
現代科学では観測できない何かはあるんだろうけど、役に立たないからスルーされてるって面はあるかもしれない。
というくらいには、信じてしまえる事象も載ってる。
ただ、テクニックであると自称するメンタリズムを前にすると、それもまた揺らぐ。
占いや霊視の能力を持つ(と自称する)ひとが、天然で(自己暗示までして)メンタリズムを駆使しちゃってるケースってないのかな。
高度な科学は魔法と同じ、みたいな。


「わらかない」「否定できない」から「ある」とはいえないんだけど、
ちょっとでも匂わせたら「ある」派が有利。
実害があるなら別だけど、基本的には乗って楽しめたらいい、といえばいい。


「ムー」とかだと写真一枚で壮大な現象を語ったりしてて、
ネタを「あえて受ける」テクニックが強く要求される趣味なんだろうけど、
まったく別角度の「信じさせ」技術だな……。
(信じさせようと思って書いてるわけじゃないけど)

以下、ほかに読んだの。


「セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱」(坂爪真吾)
食事、排泄、入浴と同じ感覚で「ケア」すべき性の介護について。
作者の出身大学とゼミからして理論は堅牢、行動力も十分。
出すことのみに絞って一点突破のNPO法人の立ち上げの中で、日本の中の性の扱いが見えてくる。
後半は恋愛と性についても踏み込んでいるので、「ジョージ・ポットマンの平成史」の童貞史と合わせて読むといいかも。
自由恋愛とかロマンと結実した性は幸福なレアケースなんだな…。


「ぼおるぺん古事記」1・天の巻(こうの史代)
元々ボールペン描きだったのかなってくらい、絵的には大きな変化はない?
古事記マンガはいくつかあるけど、書き下し文を守り、解説は欄外に。
解釈が入るのは絵で説明する部分にて、というストイックさ。
漫画化というより絵本化。
そもそ冒頭に原文が書き写してある。もちろんボールペンで。書き写すって、よく考えたらすごい手間だぞ。
その手間、段取りが儀式めいていて、神話を相手取る作者の敬意なんだろうか。


「PUNK」4巻(長尾謙一郎)
完結。勢いよく走った作品で、迷いがない。
解釈とか裏設定とか、どこかに正解がありそうな気がして、逆に入っていけなかった。
「ギャラクシー銀座」は、どうせギャグだろうけどと思ってたら意外と…みたいな揺さぶりが気持ちよかったのだけど。
比較してもなんだなぁ。
書き進めていくと、そうなるもんなのか。



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