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ラノベの主人公が“抜き屋”

「ビアンカ・オーバースタディ」(筒井康隆)

巨匠がラノベを、という企画のもの。「太田が悪い」でおなじみ。
ツツイがラノベを書いたらしい、21世紀の時かけらしい、いきなり直エロ、「太田が悪い」って…と、釣り針たくさん。

ツツイが、というのでもちろん釣られる。

ラノベとしては女子が主人公なのが珍しいし、読んでみれば元々の筒井康隆テイストだった。
御大にしてみれば「ラノベラノベと騒いでいるがワシは昔からやっていた」とか言いたいのかもしれない。
構え方からして今の「ラノベなるもの」にふっかけてる何かがあるような。

では、筒井作品として読んでみてどうかというと、いまいちハジケてない気もする。

もっとカオスでグッチャグチャにできる舞台だと思ったけどな……
時間と遺伝子いじってるんだし、こう、恐竜やらキメラやら、人間改造やら、なぁ。
そういうありがち、軽薄なのとも違うのか。


以下、ほかに読んだの。


借りて読んだので漫画充実だ。

「ももきや」(笠辺哲)全2巻
ざっくばらんすぎるキャラと、唐突と不思議が掛けあわさったアイテムの組み合わせ。
とんでもなさに対して淡々としていて、ある意味で人間味はないんだけど、かわいいから成立するんだよなぁ。
こいつらなら、死ぬほどのことはないだろう、みたいな安心感で事態を見ていられる。
「栞と紙魚子」みたいな感じかも。

「犬神人」(室井大資)1巻
チーム戦の怪バトルが響鬼っぽくてイイじゃねーのと思ってたのに、2巻は出てないそうな。
主人公というか、身体を張る担当の顔がヒーローにもの足りない地味さで面白い。
マツコ・デラックスって、このころもう世に出てたっけ?


あと、プロレスの本も読んでた。

「完本 1976年のアントニオ猪木」(柳澤健)
モハメド・アリと戦った時代のアントニオ猪木の姿を振り返ったノンフィクション。
枠組みやルールは不定形なんだけど、勝敗だけはきっちり決まって強弱判定だけがあるプロレスリング。
リングの外のことも含めて競技であり、言動や生き様まで関わってくる。
雑誌や新聞で断片的に伝えられるファンタジー世界の住人だったんだろうな、プロレスラーって。
今はディテールまでのネタばらしで情報の足が速いことも踏まえて立ち回らなきゃいけないんだろうか。

「1993年の女子プロレス」(柳澤健)
過激さを競って全女が狂っていって時代を振り返る証言集。
振り返ればムチャクチャだったねーって笑える話かといえば、そういうレベルでもなさそう。
しかし、カネに執着なさすぎだろう。住み込みで衣食住の割り当てがあればヨシの精神か。
カネとか強さよりも「私が一番」が第一目標になっている。女性はみんなプリンセスなのではないか。
それでいくと広田さくらのパフォーマンス志向が最強なのか…。
誰かのマネをすれば輝きは減じるものな。

リアルタイムで現場を追いかけていたら、この辺の本はもっと面白かったんだろうと思う。


プロレス的なノリ、視点をニワカに仕入れたら、「キン肉マン」がもう一段、面白くなった。
殺し合いじゃなくてプロレスなんだよな作中の試合も。
ルールみたいなのや、流儀や、プライドがあるしな。

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