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人間だもの…の「科学の限界」

「科学の限界」(池内了)

技術と、それを運用する英知の進歩ペースにはズレがあるし、
技術は積み重なるけど英知は断絶しかねないし、
心理的なバイアスや錯覚もあるよ、
複合的に取り組むべき課題にも縦割りの壁があるよ、人間だもの、という本。

軍事化、商業化で科学技術の開発が歪むことはあるけど、
扱うデータや実験の規模からして国家や大企業が関わらないと無理になっているそうな。
地道な積み重ねが必要な分野こそ、厳しい現実がある。

天才が現れれば別、大発見があれば一気に光明が、
なのかもしれないが。

原発事故で無力感にさいなまれた科学の現場を語る本でもある。
面白かった。


以下、ほかに読んだの。

「機動戦士ガンダム サンダーボルト」1巻(太田垣康男)

ガンダム関連の漫画は安彦良和と長谷川裕一だけでいいと思っていたけど、撤回。
宇宙でやる「08小隊」みたいなノリもありつつ、メカニックのカスタムやボロボロ具合に酔える。
双方の戦う理由が大義じゃなくて私情なんだよな。
戦場一か所でここまでドラマになる。

それはさておき、「MOON LIGHT MILE」の収集はつくんだろうか。


「竜のかわいい七つの子」(九井諒子)
異世界、異形とのコミュニケーションを描く作品集。
どうしようもないことがある、けどいい、という安心感。甘えじゃなくて信頼か。
映画の「おおかみこども…」といい、異形の存在に思いを向けて、
自分がハミ出してしまったら(ハミ出しているとしたら)、という共感を刺激され、
こういった「自分ってなんだ」の思いは昨今、思春期でない層にも届くんだろうな。
作者違うけど、「セントールの悩み」も1巻しか読んでないから、読もう。


「原発幻魔大戦 首相官邸前デモ編」(いかしろたかし)
リアルタイムに進行している。
圧倒的に無力。
前の巻よりも日常描写が減っていて、行動に移っているんだけど、無力。
ニュースに憂い、デモに参加する。それしかできない。
それが民主主義だとすると、安定ともどかしさの両天秤だね。
大手に加えて日刊ゲンダイを読め、というのは、考え込んでしまう。
ガス抜きというか、自分の代弁をしてくれるメディアを探しているだけなんだろうか。


漫画「009 RE:CYBORG」1巻(麻生我等)
劇場用アニメのコミカライズ。ややこしい。
連載中断からの時間経過を踏まえて記憶のアレコレをやってるというか、
休暇からの再招集はこれまでの完結編の倣いだ。
面白くてカッコいいのだけど、この絵だとサイボーグスーツはギリギリまで着せない方がいいんじゃないか。


「滅びし獣たちの海」(星野宣之)
海外モノ、海モノ(…?)を集めた作品集。
ネッシーと海戦を絡める手腕はさすがだ。


「天孫降臨の夢」(大山誠一)
聖徳太子はいなかった、記紀以前の歴史には隠された事実がある、という研究の本。
脳内の「天上の虹」史観とも一致する部分があって面白かった。
持統天皇も不比等の案に乗ったところがある。
蘇我王権を武力でつぶしたとなると、易姓革命になってしまう。
再度の易姓革命を防ぐために神話的な権威を立てた、ということか。
その代り、王権は象徴的に形骸化したけど、周辺に実権をはべらせることで安定はした、ということになる。
なにしろ実体がないんだから崩壊のしようがない。
象徴天皇制のはるか以前から、実質は象徴だったんだな…。
(節目で皇族自体が力を持ち出すこともあるけど、その時期のほうが例外だ)

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