「21世紀への階段(第1部)」読んだ。
1960年初版刊行で、監修は科学技術庁。監修委員長は当時の科技庁長官で原子力委員長の中曽根康弘。
原子力、コンピュータ、医療、気象観測、都市と農村などなどについての、政府公式青写真と言える。
40年後を見据えて、具体的な到達点を確認しておこう、というものだ。
当たってるとか外れたとかはおいといて、当時の技術、研究から積み上げて「こうなる」話が広がっていて、
読んでいると確かに「うわー、期待しちゃう!」となる2012年。
調べてみると2006年ごろには検証されて、4割実現してたそうな。
(そのニュースで「欲しいものリスト」に入れてた)
(長らく品切れになっていたのだけど、どこぞの古書市で発掘されたのか、いつの間にか出品されていた)
都市交通はモノレールが中心になるし、クルマは時速300kmになる。
ベーリング海峡を封鎖して海流や海面温度も変わっちゃう。
変える、変えられるんだ、という意欲にあふれていて、経済成長の糧になるよな、そりゃ。
リアルタイムで読んだら、夢は広がるさ。
原子力関連については、
まずウランが国内で採掘できてないとか、
高速増殖炉もあのざまであるとか、
20年以内に核融合反応でエネルギーを取り出せるとか、
いくつもの面でズッコケており、(当時の研究者がどうってんじゃなくて)残念だ。
蒸気でタービンを回す発電じゃない直接発電の例で、磁気流体を使うMHD方式が語られているけど、
どうもうまくいかなかったらしい。
科学の進歩は難しい。
エネルギーについては、日本っていつもいつも裏目に出てないか。
今のご時世で、こういう本を政府が出すとしたら……マニフェストも信用されないのに、無理か。
以下、ほかに読んだの。